分布法による超大型浮体の流体力の計算に関しては、その計算精度の問題が挙げられている。そこで、計算精度についても考察を加えた。
2. 理合計算流体力は非粘性非圧縮性の完全流体とし、また流体粒子の運動は非回転で速度ポテンシャルが定義できるものとする。流体力解析には圧力分布法を適用する。この方法については文献[2]に詳しく書かれているので、ここでは割愛する。そして、浮体は両端自由梁と仮定して、モード解析によって弾性応答を求める。座標系をFig.1に示す。
Fig.1 Coordinate system
本研究で用いた無限水深、有限水深に対応するGreen関数3)を以下に示す。
であり、北は浅海波数、H0(1)は0次第1種ハンケル関数、K0は0次第2種変形ベッセル関数である。njは局部波の波数として定義され、
nj tannjh = -K (4)
を満足する解である。(K=ω2/g)
速度ポテンシャルφ、圧力P、自由表面の鉛直変位η’を入射波振幅に比例する量aを用いて次のように時間項を分離して定義する。ただし、gは重力加速度、pは流体密度、ωは円周波数である。
のように与えられる。次に、このときの無限遠方での水面変位を考える。これは、(6)式において無限遠方でのGreen関数の挙動が分かればよいから、無限水深の場合は漸近形を用いて以下のように表現できる。
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